京都セミナー 2017
3月5日(日)9時半から、東寺の洛南会館で春の京都セミナーが開催されました。当日は、良いお天気に恵まれ、暖かさの感じられる春らしい1日となりました。東寺五重塔が目の前です。
大阪講座生の波頭見早子です。今回の京都セミナーの紹介をさせていただきます。
使い勝手の良い体とは
セミナーは、江上慈子さんの司会進行で開始しました。
今回のテーマである「使い勝手の良い体」から連想されるものは、身軽で敏捷に動ける体、不調のない体、などでしょうか。
そして使い勝手の良い体になるためにはどうしたら良いかについては、食事に気をつけることや規則正しい生活習慣を身につけること、適度な運動をすること、呼吸法を行うことなどいろいろな答えがあり、いずれが正しくいずれが正しくないということではないのですが・・・
今回のセミナーでは、使い勝手の良い体とはどういう体か、また、使い勝手の良い体でない場合は、どうしてそうなったのか、ということを人体力学的に分析することでその根本的な対処法が得られることを学ばせていただきました。
まず始めは、使い勝手の良い体になるために必要な深息法です。この呼吸法を行うと鳩尾がゆるみ、下丹田が充実します。
次に、指先や腕を酷使するため疲労感が強く、左肩に痛みがある女性の症例をご紹介くださったのは、体操指導者の本山久司先生です。「重ね重ねの体操」は呼吸器が弱い方、肺が落ちている方に有効な体操です。腕は呼吸器と深い関係があります。実際にこの体操を行った方は体温が35度台から36度5分まで上がりました。今は体操をしないと気持ちが悪いとおっしゃって、熱心になさっているそうです。
井本整体の体操は、なぜその体操が必要かという理論ももちろんですが、実際に行ってみて、体操の前後での体の違いを如実に感じていただけるというのがとても素晴らしいところです。
井本先生の特別ご講義では、お越しいただいた方々のご質問へのお答えやご自身のお話し等をいただきました。井本先生の豊富な知識と経験によるお話は、人生訓と言ってもいい、とても深いお話しです。
そのほかに、症状に合わせた幾つかの体操をご指示いただき、引き合いや股関節のえぐり、趾骨間(しこつかん)の操法など、幾つかは実際に行い、ご指導いただきました。
井本先生のお話は、盛りだくさんな内容でしたが、その中でも印象的だったお話を一つ。
半月板損傷と診断され、手術しかないと言われた若い女性の方、同時にずっと出血が続いていたそうです。この膝が悪いというのは、人体力学的には、骨盤が落ちて股関節に力が流れ、それが膝まで来ているので、骨盤の下がっている方を上げてやればいいのですが、この女性の場合は仙骨と恥骨の軸が狂っていたために出血が起きていたとのこと。その場所の操法をしたら、すぐに出血が止まったそうです。
体は外に流れる、左右差がある、強張る、ねじれる等々で、その場所とは遠く離れた場所にまで影響が及びます。体は繋がっているのですね。また、根本的な問題が解決すれば、症状は速やかに消えることを知りました。
ただ、体が歪んでいてもその部分が緩んでいて動きがあれば全く問題ない例として、側湾症の方のお話を伺いました。歪んでいるからといって、何もかも矯正する必要がないことも目から鱗です。
午後からは、「腰を伸ばす体操」と「上胸部三角点の体操」を勉強しました。京都セミナーの一つの特徴(目玉?!)ではないかと思うのですが、笑いがあってなんぼの関西。午後から発表される方はそのプレッシャーにもめげず、見事に笑いをとりつつ、しっかり症例と体操をご指導くださいました。
いつも、身近な方の体操による体の良い変化を発表してくださる枠谷正子さん。昨年のきよちゃんに引き続き、今年は腰を伸ばす体操で、すみこさんの症例をスライドを使ってご紹介くださいました。具体的なお話をいただけるとわかりやすいです。体操のビフォーアフターで明らかに腰が伸びていました。
最後に、ご自身の体を張って体験した扁桃炎歯炎のお話を披露してくださったのは石崎貴夫さん。
職業柄の腕の使いすぎと、お正月の食べ過ぎから引き起こされたものだったことについて人体力学的説明がありました。食べ過ぎからいろいろな症状が起こることは、あまり知られていないかもしれません。
その時に使われた化膿活点は救急操法と言われるもので、自分で取る方法と人を取ってあげる方法の両方を教えていただきました。すぐ行うことで腫れの引きが早く、治りも早いので知っているととても便利で役立ちます。上胸部三角点の体操は、呼吸器や循環器系の症状を緩和するもので、きちんとできればキツイ体操です。みなさん、結構しんどいですね〜とおっしゃっていました。
発表者の熱意とご参加いただいた方々の熱心な聴講、体操実技で会場はムンムンとした熱気にあふれていました。16時にセミナーが終了し、お帰りになる皆様からは「とても良かった」と、おっしゃっていただいて嬉しい一日でした。終わって外に出られた皆様は清々しい空気を吸い、リフレッシュして家路につかれたのではないでしょうか。実行委員長の山岡尚子さんも、一安心なさったと思います。
今回の使い勝手の良い体というテーマに対する答えは、よく緩んでいる体、弾力があってうまく力が抜けている状態である体、ということを実感していただけたセミナーだったのではないかと思っています。
お越しいただきました皆様、一日ありがとうございました。
余談ですが、京都セミナー会場洛南会館のお弁当おいしいですよ!
いいこと沢山!の京都セミナーでした。
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