季節のワークショップ 2019/ 1/14
食べ過ぎと三里
昨年、「この冬は暖冬になる」と言われていましたが、12月後半から一気に寒くなりました。
ワークショップ当日も寒く乾いた空気が、千駄ヶ谷駅で下車した私の体を包みました。
そんな冬のワークショップは、「脚の三里」から始まりました。
三里は、手と足にある胃の系統の急所です。
お正月休みは身体を動かさずに飲み食いしがちですが、そうなると三里が硬くなってきます。この状態で足首を動かしてみると動きにくい角度が出てきて、これが転倒の原因になることもあるそうです。
この時期に転んでけがをした人は、その前の食生活を振り返ってみると、意外なところに原因があることに気が付くかもしれません。
人間の身体には補正反応があり、食べ過ぎたらそれ以上食べないように体が防御します。
口角が切れたり口内炎になったり、ふいに顎が痛んだりするのもそんな時です。そのほかにも、背中の筋肉の硬直から肩がこったり、首を寝違えることもあります。
こうした反応に気が付き、食事を減らすなどのコントロールを怠ると、最後には脳卒中に繋がることがあります。その際のチェックポイントは脚の拇指だということが、早川先生から説明されました。
こうした理屈が初心者にも分かりやすく理解できるのが、人体力学の優れたところですね。
側腹と丹田
ワークショップ後半は、前回に引き続き「側腹」です。
秋口には、身体の左右差についての対処として学んだ側腹ですが、今回は井本整体の新刊『お腹をさわれば全身が変わる人体力学~腹部十二調律点』との関連でした。
この本は、書籍発売当初から「ここまで出していいのか?」と療術家から声が上がるほど、腹部について深く書かれた書籍です。この腹部十二調律点を学ぶ上で外すことができないのが、三つの丹田です。
上中下の丹田には、それぞれ硬さや弾力に違いがありますが、「上が緩み、下に弾力がある」というのがおおよそ体調が良い基準です。下丹田に弾力があると呼吸は深くなります。
その時、側腹も緩んだ状態になり、指三本が入るくらいの幅が出ます。
逆に肺が下がってしまうと、指一本とか二本くらいしか入る隙間がなくなるのです。まずは参加者各自が自分の側腹をつまんで、硬さや指の入り具合を確認しました。
この側腹を緩めれば、下丹田に弾力が出るということでもあるわけです。
実技・側腹
説明を聞いたところで、側腹の実習です。
早川先生が模範の構えを示し、さっそく実技に入ります。
仰向けの相手の横に構え、お腹に手を当ててから左右の側腹の硬さを確認。
分かりにくければ、一度片膝立ちで両手を使って確認し再び正座で構えます。
とらえる時は、丁寧に右か左かを選んで相手の今の急所を探します。
正座からの力の送り方が難しいのですが、プロの指導者が参加された方達に直接手を取って指導しました。
「上から手で教えてもらえると、とても分かりやすいです」という声も参加者から聞かれました。
型、構え、呼吸、間合い等。実際に練習してみると、急所の場所以外にも学ばなければならないことが無数にあります。
それでも集中して練習していると、そういった複数の要点も自然と身についてきます。
早川先生から「手で学んだものは、一生忘れない」という言葉がありましたが、参加された皆さんは、この側腹の感触をしっかり手で覚えて、いざという時に実践してほしいと思います。
次回から会員制度の変更に伴い、グループレッスンや季節のWSなど、内容のグレードアップのために若干の変更が出るようです。
体験記事の連載は今回で最後になりますが、引き続き季節のWSを楽しみにお待ちください。
次回のワークショップは、4月です。
(レポート・松本 英樹)
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