季節のワークショップ 2018/ 10/8
自然と人間
大阪と北海道での大地震、記録的な猛暑とゲリラ豪雨による浸水被害、大型台風の列島上陸…。
まだ10月ですが、今年は自然災害の多い年でした。
地震ということでいうと、全世界でのマグニチュード6以上の大地震は、おおよそ2割の回数が日本で起きているそうです。台風の通過ルートを見ても、地質学的にいかに日本が災害大国なのか分かります。
こうした大きな自然災害はともかく、身の回りで起こる心身のトラブルに対する手段が、今回の季節のワークショップでは公開されました。
止血解毒の急所
今年の夏は、蚊は少なかったですね。蚊は気温35度を越えると活動できなくなるので、夏の暑さが功を奏したということでしょうか。
こうした虫刺されや切り傷、軽度の火傷などの怪我に、整体で使うのが化膿活点です。
止血や解毒効果があるため、知っていると非常に重宝します。
まずは早川先生が、その場所を説明してくれました。
化膿活点の場所は、合計四か所。手と足に二か所ずつです。
おへそを基準に上下左右に体を四分割し、どのエリアを受傷したかで、とるべき化膿活点を選びます。
この説明をもとに、参加者は自分の化膿活点の場所を確認することから始めました。上半身は、肩にある三角筋の下部。これは自分でもとりやすいですが、下半身の化膿活点は股関節の付け根付近にあるため、場所が分かりにくいです。
かつて井本先生がヨーロッパに整体の指導に出向いた際、下半身の化膿活点は女性に行うとセクハラになる可能性があると止められ、教えることができなかったそうです。
何事も過敏になりすぎると、せっかくの整体の技術も伝えるのが困難になってきますね。
実技・化膿活点
最初は自分で腕の化膿活点を反対の手でとり、刺激をしてみます。
参加された皆さんは、指示された場所をそのまま押さえていますが、怪我などをして処置が必要な時は、化膿活点の場所に小さなかたまりが出てきます。そこをおさえて、しばらく導気します。
抜歯の後などにも、腕の化膿活点を取っておくと経過が早まります。
相手をとる練習では、膝立ちの構えからとっていきます。実際には相手が仰向けに倒れていたり、立ってる可能性もありますが、写真のような基本型を身に付けることで、いざというとき、もっとも適した構えが自然に取れるようになります。
皆さん、角度や深さを調整するのに苦労していましたが、「慣れてくると、一瞬でとれます」と早川先生。覚えるだけでなく、身に付けることの大切さを感じました。
夏のつけ
今回は駈け足で次の課題に入ります。夏のツケについてです。
涼しくなってきた今の季節は、身体の左右差が顕著に現れます。
右背部がやけに硬くなるとか、左の腰が下がるとか、そういった左右差が顕著になってくるのです。
体がだるい、やけに眠い、皮膚のトラブル、腰痛、のどの痛み、めまい、脚がつる…。こういった症状が出た時、身体の体幹を修正して左右を整えるというのが、後半の課題である『側腹』です。
まずはひとまず、身体の左右差チェック。体の運動系の確認ですね。
右に数人が横寝になっている写真がありますが、この姿勢になったとき、ふらつく側が体の動きにくい側ということになります。やってみると分かりますが、バランスが崩れて横に転がるとき妙に笑えます。
実技・側腹
相手に体調を確認したとき、あちらもこちらも痛いと、あらゆる場所を並べられる時がありますが、整体ではそれらすべて追いかけることはありません。
症状の根元を狙う。そういった急所の一つが、この『側腹』です。
まずは早川先生が型・構え、とるべきポイント、技の入り方など、詳細に説明をされました。右をとるか左をとるかは、さきほどのチェックで確認済みなので、すぐに実技に入ります。
側腹のポイント自体に、てこずる方が多かったかもしれません。
参加していた指導者が順次指導に回っていましたから、手を取ってもらった方は、「この感触が、側腹のポイントか」とお分かりになったと思います。
ご自宅に帰って体調のすぐれない方がいたら、ぜひ使ってみてほしい技です。左右差の出やすい今の季節では、側腹自体の左右を比べてみても、硬さの違いが分かるはずです。
このほかに、側腹に直接蒸しタオルをすることでも左右差を緩和できると、早川先生から説明がありました。
整体法の極意の一手、ぜひご活用ください。
次回のワークショップは、1月です。
(レポート・松本 英樹)
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