季節のワークショップ 2018/ 7/16

今回のレポートは、体操指導者の橋本均先生から頂いた原稿を掲載いたします。

6月末に梅雨が明け、それから猛暑の日々が続いていますが、今回のテーマは『熱中症』です。

いつもとは違った視点からのレポートを、ご覧ください。

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変わったこと

それは、気象環境の変化が歴史を塗り替える程の規模で起きているということです。

ご存知の通り、今年の関東地方の梅雨明けは6月でした。観測史上初めてとのこと。これまでの私の認識では、梅雨明けは7月の後半、夏休みが始まる前後と思ってきたものですから驚きでした。

さらには熱中症で死者が出たり、5年ぶりに気温が40度を記録する等のニュースに触れるにつけ、気象環境が確実に変わってきたことは認めざるを得ないようです。

ワークショップが開催された当日も厳しい暑い日となりましたが、そんな暑さにも拘わらず、一般参加の方を含む多くの会員の方が参加され、認定・体操指導者及び道場生を含めると約100名の参加人数となり、熱い講義と実技の練習が行われました。今回のテーマは熱中症と踵です。

変わりにくいこと

ワークショップは、初めに講師である早川先生から、気になる症例の紹介で始まりました。

当ワークショップの前日に、生後4か月の赤ちゃんの身体が真っ赤に腫れ上がっているが、どうしたらよいかと、お母さんから電話があったお話です。これは単なる湿疹かじんましんも考えられたので、日常の生活環境について質問してみました。

「エアコンは上手に使ってますか?」

「設定温度は何度ですか?」

次いで、赤ちゃんの身体の状態について聞いてみました。肌はサラサラか?それともベタベタしているか、皮膚を触ってもらった処、首や腕、背中や足の何処を触ってもベタベタしていたとの返答。

熱中症の可能性が高いと判断した早川先生は、お母さんに、「エアコンの温度を下げてみませんか?」とお伝えしたとのことでした。

そして、翌日のワークショップが始まる前の11:00に症状をお聞きした処、身体の肌はどこを触ってもサラサラしていたとのこと。次に皮膚の赤みについて恐る恐る聞いてみると、赤みや腫れは消え、肌はツルツルしていたとのことでした。因みにエアコンの設定温度は26℃に変えたそうです。

エアコンの温度設定については、いつ頃からか節電と相まってか28℃に定着してしまったのでしょうか。また、以前からクーラーは身体に良くないからダメ、と言った先入観など、一度刷り込まれた情報や考え価値観を変えることはなかなか難しいようです。

就寝中の私たちの身体は無防備状態ですから、特に温度設定について再認識しても良いのではないでしょうか。 何度に設定するかはご自分で適温を模索していくことが大事で、自分でできるものからまず生活環境を変えていき、人体力学体操と合わせて実践していくことが、この夏を乗り切る賢明な生き方のようです。


熱中症と人体力学

さて本題に入ります。

今の時期は、暑さと湿気が多く、身体に左右差が出てくると問題となります。その状態がひどくなっていくと熱中症の症状が出てきます。その最たるものが呼吸器に表われてきます。後頭部、肺、肩甲骨、骨盤が連動しており、お尻は肺の急所でもあります。肺に左右差があると、骨盤にも左右差が出てきます。肺が下がると肋骨が強張り、それを弛めるために咳をします。

熱中症になると、喉が痛い、頭痛、歯痛、腰が抜けたり、座骨神経痛などの症状が出るようになるのは、以上の人体力学関係からくるものです。

今の時期は、中古車屋さんに男性が一人で来た場合、車を買わないそうです。奥様に後押しされて来店された場合は、買う確率は高いとのこと。人体力学的にひも解くと、肺が下がっていると決断力が下がるからですが、今の時期の大きい買い物は、なかなか決断ができないようです。


踵伸ばしの実技と練習

踵伸ばしとその練習方法の説明がありました。サポートの体操指導者を含めた4~5人のグループに分かれて、実技の練習を行いました。

まず仰向けになって手と足を上げた時の動きを観察してから、受け手の人にうつ伏せになってもらい、自分の構える位置を調整しながら、力学を利用して踵を使って脚裏全体を調節します。

次いで、あお向けになって、動きが変わったことを確認し合いました。

会場は大変盛り上がって、ご参加の皆さんは熱心に、また夢中になって練習を行っていました。早川先生が丹念にこまめに各グループを見て回り、丁寧に分かりやすく指導にあたって下さいました。各グループのあちこちからは、その変化ぶりに驚きと感激の声が上がっていました。

今回のセミナーは、熱中症対策として正に絶好のタイミングで、踵伸ばしの操法を学べたことは幸運だったのではないでしょうか。

次回は、10月8日(月、祝)です。

(レポート・橋本 均)

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